ある日、我が家に来た友人に、ふと「この椅子、どこで買ったの?」って聞かれた・・・。
その瞬間、少し嬉しくなるものです。自分が選んだものが、誰かの記憶に残った証だからです。
最近、そんなふうに暮らしに物語を宿す家具として注目されているのが、ヨーロッパの中古家具です。
日本の家に、なぜヨーロッパ家具が合うのか
日本の住空間は、決して広くはありません。天井も高くないし、壁も真っ白なことが多い。 その中に、ほどよく個性のあるヨーロッパ家具がひとつ加わるだけで、空間がぐっと引き締まります。
北欧の椅子やドイツのシェルフ、イタリアの照明は、意匠と機能が見事に調和しています。 使いやすくて美しい。住む人の価値観に寄り添ってくれるようなバランスが魅力です。
ヨーロッパ家具は「見せつけるためのデザイン」ではなく、「暮らしに自然に溶け込む美しさ」を持っています。
量販店にはない“顔”があります
チェーン店の家具は、どれもよくできています。価格も見た目も申し分ありません。
ただ、ヨーロッパの中古家具には、それとは違った力強さがあります。
少し色褪せた木の風合い、手に触れたときの質感、経年によって深みを増した金属のパーツ。 そういったディテールの積み重ねが、その家具だけの「顔」をつくっています。
似たような部屋を見続けてきた目には、こうした一点ものの存在感が新鮮に映るのです。
デザイナーズ家具=高価、とは限りません
デザイナーズ家具という言葉には、高価なイメージがあるかもしれません。 たしかに新品であれば何十万円もすることがあります。
ですが、中古市場では、手が届きやすい価格で良質な家具を見つけることができます。
特に1960〜80年代に製造されたヨーロッパの家具は、素材も造りも確かで、今の暮らしにもしっくりと馴染みます。
名前を知らなくても大丈夫です。大切なのは、自分が「いい」と感じられるかどうかです。
会話が生まれる家具は、暮らしの温度を上げてくれます
家具は黙ってそこにあります。何も話さない存在です。
ですが、時折、会話のきっかけになります。 誰かがその家具を見て「これ、素敵ですね」と声をかけてくれたとき、空間に少し温度が生まれるのを感じます。
大量生産の家具にはない、個性と背景を持ったヨーロッパの中古家具は、そうした体温を暮らしにもたらしてくれます。
その体験こそが、家具を持つことの本当の豊かさなのかもしれません。
まずは一脚から始めてみませんか?
何から揃えれば良いのか分からないときは、椅子を一脚だけ選んでみてください。
デスクの横でも、窓辺でも、玄関先でも構いません。 たった一つの椅子が、空間の印象を大きく変えてくれます。
素材や形、脚の細さ、座面の高さ。 じっくりと選んだその椅子は、暮らしの中で自然と特別な存在になっていきます。
中古家具は、選ぶ時間も楽しみのひとつです
新品の家具は、色もサイズもそろっていて選びやすく、失敗も少ないです。
けれど、中古家具には「今この瞬間しか出会えない」という一期一会の魅力があります。
数が限られているからこそ、選ぶ時間にも意味が生まれます。 その過程そのものが、暮らしをつくるという行為につながっていきます。
まとめ
ヨーロッパの中古家具は、ただ古いものではありません。 それは、誰かの暮らしを経てきた家具であり、これからの自分の暮らしをかたちづくる存在でもあります。
そして、ふとした瞬間に誰かがこう尋ねます。
この椅子、どこで買ったんですか?
そのとき、もうあなたの暮らしには、小さな物語が始まっています。
当店では、ヨーロッパ各地から選りすぐったヴィンテージ家具を多数取り揃えています。 椅子一脚からでも、自分だけの空間づくりを楽しみたい方におすすめです。